2015年12月23日
前回に引き続き電池のお話で恐縮ですが、バッテリーの問題というのは、「無人」とか「遠隔」などと密接に結びついていて、効率を高めるほど電源確保という命題とは対面していかなければなりませんよね。IoTの世界でもBLEが出てきて、コイン電池やシート状の電池を使用すれば1年、2年は使い続けられるものが登場しているので、昔ほど「バッテリーがーっ」とは言わなくなってきたかとは思います。
でもこれだけで驚いていてはいけません。私は最近までまったく知らなかったのですが、EnOceanという無線規格は電源レスで無線を飛ばせる技術なんですね(企業名でもあるようですが)。正確には自然界にネイティブに存在しているが、今まで利用されてこなかった微弱電波を無線信号出力に活用したものなんです。永久機関という概念に近いものと勝手に解釈しています。自然界にあるものということで、出力や、速度には厳しい制限があるものと思ったら、見通し300m程度はエリアになるようで驚きです。開発キットは100ポンド(18,000円くらいでしょうか)程度で買えます。
開発キットです。EnOceanのサイトから購入できます。
今後IoTの世界では人間がやっていることのほとんどが置き換わっていくと思いますので、遠隔地ほど一度交換したらそのあとはメンテフリーにできる状態が望ましいと思います。そういったところにはまさにうってつけの規格ではないでしょうか? 電気、電話などのインフラがなくても計測したデータを集めることができるという世界が現実になっています。2016年はさらに進化したものが出てくるのでしょうか?